2020年1月1日に施行が延期されていた補充審査の廃止まであと半年を切った。

現行のシンガポール特許法では出願審査に関するオプションが4つあり、補充審査(Supplementary Examination;いわゆる「外国ルート」)では、シンガポール国外での対応出願(国際出願を含む)の調査及び審査結果(拒絶理由のない最終的なもの)を利用する。この補充審査の廃止は、特許の質向上を目的として、2017年1月1日以降の施行が予定されていたが、シンガポール知的財産庁(IPOS)は2020年1月1日までの延期を通知していた。補充審査は日本からの特許出願では主要なオプションであったが、下記については審査に補充審査を選択できなくなる。

・直接出願/パリルート出願:
シンガポールにおける出願日が2020年1月1日以降
・PCTルート出願(PCT国内移行段階):
国際出願日が2020年1月1日以降
・分割出願:
実際に分割出願をした日が2020年1月1日以降

補充審査の廃止後も、他の審査オプションである国内ルート(IPOSが調査及び実体審査を実施するオプション2種)及び混合ルート(所定の庁による対応出願等の調査結果を利用し、IPOSが実体審査を実施するオプション)は利用可能である。

また、審査の早期化には、特許審査ハイウェイ(PPH)も引き続き利用可能であり、PCT出願の国際段階成果物を利用した特許審査ハイウェイ(PCT-PPH)も利用可能である。さらに、シンガポールはグローバルPPHに参加しているため、日本のほか、米国、韓国、ドイツ等の審査結果を利用してPPHを申請することも可能である。なお、2019年7月時点で欧州(EPO)及び中国はグローバルPPHに参加していないが、IPOSとEPOとの間ではPPHMOTTAINAIの枠組みを採用しているため、日本出願を基礎とする欧州出願の審査結果を用いてシンガポールにおいてPPHを申請することができる。

その他、シンガポール特許出願では審査早期化の手段として下記のプログラムを利用することができる(2019年7月時点)。

・ASEAN特許審査協力(ASPEC)プログラム
・FinTech Fast Track Initiative(フィンテック関連出願向けの早期審査)
・AI2(人工知能関連出願向けの早期審査)

【出典】
日本特許庁「シンガポール特許法改正に伴う外国ルート(修正実体審査)の廃止について」等

※この記事は一般的な情報、執筆者個人の見解等の提供を目的とするものであり、創英国際特許法律事務所としての法的アドバイス又は公式見解ではありません。