2015年5月に「意匠の国際登録に関するハーグ協定のジュネーブ改正協定(以下、ジュネーブ改正協定)」が日本で発効してから約4年が経過し、出典(1)では日本におけるジュネーブ改正協定に基づく国際出願(以下、ハーグ出願)は意匠数ベースで831件(2017年)から1,251件(2018年)と大幅に増加したことが報告されています。ハーグ出願全体の意匠数は19,745件(2017年)から19,441件(2018年)と若干減少していることから、日本においてジュネーブ改正協定の利用が広がっていることが推察されます。

〈図:日本からの意匠出願におけるハーグの利用状況(2017年)〉
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※棒グラフの上部に示した数値は、2017年の日本からの出願における全意匠数
※中国はジュネーブ改正協定未加盟のため、直接出願が100%となっている

しかしながら、出典(2)における2017年のデータにはなりますが、上図からわかるように日本から米欧中韓への出願におけるハーグ出願の割合は高くありません。その中で比較的高いのが欧州(登録共同体意匠)です。これは、欧州は事実上の無審査主義で、方式審査を満たすと(すなわち、国際登録されると)、登録の効果が発揮されるため、現地代理人費用を削減できるメリットが目立つことが要因の1つと考えられます。

なお、本稿執筆時点でジュネーブ改正協定に加盟準備中とされている中国では、加盟に必要な存続期間の延長(「出願日から10年」を「出願日から15年」)を含む専利法改正案が検討されているところです。2019年6月時点では、特許のPCT(152か国)や商標のマドプロ(104か国)と比べると、ジュネーブ改正協定の締約国数は60(政府間機関を含む)とまだまだ少ないですが、今後の締約国増加により更に活用しやすい制度となることが期待されます。

【出典】
(1)WIPO「Hague Yearly Review 2019」、「Hague Yearly Review 2018
(2)WIPO「WIPO statistics database(最終更新:2018年12月)」

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