特許審査の遅延が著しいブラジルでは、日本との間で特許審査ハイウェイ(PPH)が既に試行されているところ、ブラジル産業財産庁は、2019年10月22日、PPHの対象となる技術分野の限定を撤廃し、全ての技術分野でPPH申請を認めると発表した。主なポイントは下記の通りである。

・試行期間は2019年12月1日より3年
・受け付ける申請は400件/年まで
・1出願人あたりのPPH申請可能件数は1件/月

PPH導入当初は対象の技術分野がIT分野及び自動車関連技術を中心とした機械分野に限定されていたが、2019年4月1日から高分子化学、冶金、材料、農芸化学、微生物、酵素などが追加されていた。

これまで、日本からブラジルへの出願のうち、PPH申請の対象となる出願は60%弱と言われており、これまで利用できなかった技術分野の出願人には朗報である。

ブラジルでは、特許の取得まで平均10年程度を要していたが、PPHを利用した出願については、1年以内に審査結果が出ているようである。

なお、ブラジル産業財産庁による近年の取り組みにより、特許取得までの平均年数は8.7年(2018年)と減少し始めている。バックログも2018年は前年比で2万件弱減少している(図2)。今後も審査の迅速化が進むことを期待したい。(図1、2はDANIEL事務所提供)。

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