2019年12月27日、マレーシア新商標法2019(Malaysian Trademarks Act 2019)が施行された。従来の1976年法を大幅に改正し、現代的な商標制度にアップデートするものである。同日付で発効されたマドプロへの加盟も含め、マレーシア商標法の実務上の改正には以下が含まれる。

主な改正点:
・一出願多区分制の導入
1つの出願で複数の区分の商品・役務を指定することが可能になる。これに伴い、多区分出願(登録)の分割、または複数の出願(登録)の統合の制度も導入される。

・指定商品・役務の標準表示リスト
マレーシア商標局から、事前に登録が認められる指定商品・役務の標準表示のリスト(pre-approved list)が提示される。同リストにない表示を指定して出願した場合は説明や補正が求められる可能性がある。当該標準表示に関しては、マドプロ出願及び直接出願の両方に適用される見通しである。

・拒絶理由に対する応答機会の減少
拒絶理由に対して、出願人は1回のみ、応答の機会が与えられる(旧法では2回)。

・出願日の認定
出願に係る全ての必要書類が提出された日が出願日として認定される(宣誓書提出の運用は廃止される)。出願商標にローマ字以外の言語が含まれている場合、その翻訳及び音訳も記載する必要があるが出願時には翻訳証明書の提出は不要である(審査官が提出を求めることはある)。

・係属中出願の取り扱い(新法への移行)
旧法下(2019年12月27日以前)に出願された、未審査の係属中出願について、出願人は旧法または新法のいずれかの審査基準で審査を行うか、選択することができる(移行期限:2020年2月27日)。あるマレーシア事務所の見解によれば、新法と旧法の審査において、絶対的拒絶理由及び相対的拒絶理由の双方で実質的な差異はないと考えられる一方で、新法下では拒絶理由への応答機会が減るため、基本的には旧法下での審査を維持することで問題は無いと思われる。

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