台湾では、2020年1月1日に医薬関連発明の改訂審査基準が発効された。実務上、当該発効日以降、査定前の出願については、改訂審査基準が適用される。

改訂審査基準では、審査段階で争点となることが多かった事項について、基準の策定及び関連する具体例の追加・削除がなされているが、ポイントとなる事項を以下に示す。

1.人間又は動物の治療方法
(1)人間又は動物の治療方法は非特許事由に該当する。請求項に記載の方法について、治療効果と非治療効果が区別不能である場合、非治療効果が単に治療効果に付随するものである場合には、非特許事由となる。一方、治療効果と非治療効果が明確に区別でき、かつ請求項において非治療目的であることが明確に限定されている場合には、非特許事由とはならない。

(2)請求項に記載の方法が治療方法と非治療方法の両方を包含する場合において、当該方法を「非治療方法」のみへ補正するためには、明細書等に非治療方法が記載されている必要がある。明細書等に記載がない場合には、新規事項追加、サポート要件違反と判断され得る。

2.医薬組成物
以下に関する事項が明文化された。

(1)発明の実質的技術特徴が特定の「剤形」(例:貼付剤、錠剤)である場合、請求項では有効成分だけでなく、配合量や賦形剤等の「剤形の技術特徴」も特定する必要がある。性質パラメータ(例えば、溶解度)、薬物動態(PK)や薬物動力学(PD)パラメータは、「剤形の技術特徴」とは認められず、単にこれらのパラメータで特定した「剤形」の発明は、明確性要件違反に該当する。

(2)医薬組成物の技術特徴が投与形態等である場合には、発明の対象を当該技術特徴に適する「組合せ」や「用途」等にする必要がある。

3.化合物の誘導体
従来、明細書中に化合物の「誘導体」の製造方法等の記載がない場合には、実施可能要件・サポート要件(以下、「実施可能要件等」)違反と判断されることが多かった。この点、改訂審査基準では、化合物の誘導体(薬学上許容される塩、エステル、異性体、水和物等)については、「過度な実験を要することなく、当業者が明細書の記載に基づいて当該誘導体を製造できるものであれば、実施可能要件違反等に該当しない」旨が規定された。

※この記事は一般的な情報、執筆者個人の見解等の提供を目的とするものであり、創英国際特許法律事務所としての法的アドバイス又は公式見解ではありません。