2020年4月に中国最高人民法院より公表された二つのレポートについて簡単にご紹介します。

●中国法院知識産権司法保護状況(2019)
このレポートには、中国の全法院が2019年に取り扱った知財案件に関する統計や傾向が纏められています。表1に整理したように、前年よりも更なる積極的な訴訟提起及び年間審理件数の増加が見られます。

●最高人民法院知識産権法廷年度レポート(2019)
最高人民法院知識産権法廷(以下「最高裁知財法廷」)は、日本の最高裁にあたる中国最高人民法院の中に2019年1月1日に設立された、特許侵害など判断が難しい技術系訴訟の二審・再審を専門に管轄する法廷です。このレポートは最高裁知財法廷に関する最初の年のレポートとして注目されています。

統計データの一例として、受理件数の状況は表2、民事二審案件の状況は図1、結審の状況は表3に示しました。従来、技術系訴訟の二審・再審について、統計データとして纏められたデータは公表されていませんでした。そのため、前年との比較はできませんが、今回公表された上訴成功率や平均審理期間などのデータは今後の二審・再審の対応時に有用な参考情報になると考えられます。

〈表1:2019年の中国知財一審案件の状況〉
20200720-CN-1〈表2:2019年の最高裁知財 法廷の受理件数の状況〉
20200720-CN-2〈図1:2019年の最高裁知財法廷の受理した民事二審案件の状況〉
20200720-CN-3〈表3:2019年の最高裁知財法廷の結審の状況〉
20200720-CN-4【出典】
中国最高人民法院「中国法院知識産権司法保護状況(2019)」「最高人民法院知識産権法廷年度レポート(2019)

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