令和元年の改正意匠法によって新たに認められることになった建築物、内装、画像に係る意匠の登録例が出始めているので、一部をご紹介する。

1.内装
カルチュア・コンビニエンス・クラブ社、くら寿司社、ミサワホーム社等の登録例が出ている。

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率直な感想としては、語弊があるかも知れないが、この程度の内容で十分に登録性があるということが分かった、という点が大きいと感じる。つまり、審査のハードルは、従来からの「物品」に係る意匠と変わらないようだ。例えば、登録1671153について、座席部分については従来のくら寿司の店舗のものと大差はなく、また、屋根の骨組み自体も従来の建築物に存在するように思われるが、それらの組み合わせ状態が新規で創作性のあるものと判断されたのだろう。

2.建築物
商業用建築物(下:登録1671773)と駅舎(図示なし)の意匠登録がなされている。商業用建築物の登録例について興味深いのは、おそらくはこの図面は模型を用いて作成されていることである。

建築物の意匠の出願を行う場合には、実際の建築後では新規性を喪失してしまうため、このような模型による出願か、駅舎の登録例のように線図を用いるか、あるいは3Dキャドデータなどを用いて作成して出願する必要がある。

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3.画像
画像の意匠の登録第1号は、機器のモニターに映る画像ではなく、車両から道路等に投影される画像だった(下:登録1672383)。意匠に係る物品の説明に、「画像投影装置付き車両より路面に照射される画像である。」とも記載されている。意匠に係る物品の説明が権利範囲に与える影響については議論があるが、物品を離れた「画像」に係る意匠である以上、この画像が、車両からではなく、例えば運転者が身に着けている別の映写装置から表示されても、同様の用途機能を発揮するものであれば、権利範囲に含まれると思われる。

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