GCCの最高理事会は、2021年1月5日、特許法(特許規則)の一部改正を承認した。改正特許法(特許規則)はまだ公にされてはおらず、詳細が明らかになっていない部分もあるが、1つの大きな改正点として、同年1月6日以降の新規特許出願の受付が停止されることとなった。

今後、GCC加盟国において特許権を取得するためには、以下の2 通りの方法を利用することとなる。

・パリルート:パリ条約による優先権を主張し、各加盟国へ出願
・PCTルート:PCT国際特許出願により各加盟国へ移行(GCC全加盟国はPCTにも加盟している)

なお、出願済及び登録済のものについては、現状では従来通り取り扱われるとされているが、分割出願をしたい場合はどうするのかなど、不明な点は多い。

これまでGCC特許制度は、一の出願をGCC特許庁に出願し審査をパスして特許になれば、特許権の効力が全加盟国(6カ国)に自動的に及ぶという「統一特許付与」のための制度であった。この点、ヨーロッパ特許出願(EPC)のように、その出願において特許の保護を求める国を指定する必要が無かった。また、各国別に出願をするよりは、出願人にとって費用がかなり軽減されるメリットもあった。

1998年10月3日よりGCC特許出願の受付が始まり、これまで11,500件を超える特許権が認められている。

近々発表されるであろう公式なアナウンスを待ちたいが、GCC特許制度はGCC商標制度と類似した方向に進むのではと言われている。すなわち、GCC加盟国で特許法の統一に向けて進めていくが、特許権取得のための特許出願は各国で行う必要があるというものである。今回の特許法(特許規則)の一部改正により、各国で特許出願が必要になっており、手続の煩雑化は否めない。また、GCC加盟国のうちサウジアラビア特許庁はオペレーションがスムーズに進んでいると言われているものの、他の5カ国はオペレーションが上手く進んでいないと言われており、その点でも懸念がある。

*GCC(Gulf Cooperation Council)
中東・ペルシア湾岸地域における地域協力機構。加盟国は、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、バーレーン、クウェート、オマーン、カタールの6カ国。

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