【事件概要】
本件は、無効審判請求を不成立とした審決が、進歩性の判断に誤りがあるとして取り消された事例である。
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【争点】
主な争点は、「使用者の体格に対応させるべく、フレームの一部を異なった長さの交換装着用フレームに置き換え可能に構成すること」(製品1発明との相違点1)が容易か否かである。

【結論】
審決は、「使用者の体格に対応させるべく、フレームの一部を異なった長さの交換装着用フレームに置き換え可能に構成」することが従来から周知であるとはいえないから、製品1発明を相違点1に係る構成とすることが容易想到であるとはいえないと判断した。

これに対し、判決は、本件特許の出願時において、手術台のテーブルトップは、患者の身長に応じた長さとすることが望まれており、医療機関において、テーブルトップの長さを調整できる手術台の要望があったこと、その要望に応えるために、各種の大きさのコンポーネントを組み合わせて、適宜の長さのテーブルトップとする手術台が販売されてことが認められ、製品1発明において、患者の背が高い場合には、足側の背板の先に頭板を付け加える使用方法が行われていたことからすると、上記のことを知る当業者は、製品1発明において、上記相違点1に係る構成とすることを容易に想到することができたものと認められると判示した。

【コメント】
被告は、製品1の具体的な構成は、それぞれが独立した構成であり、それらの構成を組み合わせることにより相違点を解消することはできないと主張したが、判決は、製品1発明の構成は、背板、座板及び足板の各コンポーネント及び各種頭板のアクセサリーを含めて、一つの製品である製品1から認定できる技術的構成であるから、一つの発明の構成であり、これを考え併せて、製品1発明から本件発明を容易に想到することができるというべきであるとして被告の主張を採用しなかった。

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