2021年4月4日、インド大統領により裁判所改革条例「The Tribunals Reforms Ordinance,2021 No.2 of 2021」(以下、条例)が公布され、即日施行された。

条例の施行により、知的財産審判委員会(Intellectual Property Appellate Board;IPAB)が廃止されることとなった。本稿では、IPABの廃止に伴うポイントを、インド代理人からのニュースレターの情報をもとに紹介する。

1.管轄
IPABが管轄していた、インド特許意匠商標総局の長官による命令等(以下、長官命令等)に対する不服等の処分は高等裁判所が管轄することとなる。

2.IPABで係争中の案件
IPABで係争中の案件は、高等裁判所に移管されたものとみなされる。

3.ルール
高等裁判所では、従来のIPABのルールに代えて、高等裁判所のルールが適用される。

4.時期的要件
長官命令等に対して不服等を申立てすることができる時期は、従来と変更なく当該長官命令から3ヵ月以内である。なお、条文上は、高等裁判所は3ヵ月の期間を延長することが可能であるとされているが、現時点で規則等は何ら発行されていない。

条例は、裁判所改革法に関する法案が未審議となっていたためインド大統領により憲法123条の権限に基づき公布されたものであり、議会で可決された法律と同等の効力を持つ。しかしながら条例が議会で承認されない場合、条例の効力は国会の再招集から6週間後に失効する。また、6週間の期間満了前に条例について両院で不承認の決議がなされた場合にも、その決議時点で条例の効力は失効する。

【出典】
1.インド政府「THE TRIBUNALS REFORMS (RATIONALISATION AND CONDITIONS OF SERVICE) ORDINANCE, 2021 NO. 2 OF 2021
2.ジェトロ「インド法務省、IPAB 即時廃止を公表

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