令和4年4月1日より特許料、登録料(実用新案、意匠、商標)等の料金改定を行うため、特許法等関係手数料令等に関する法律施行令が改正される予定です。

その背景には近年、海外の特許文献の急増による審査負担の増加など定常的に必要となる経費の増加や、情報システムの大規模刷新や庁舎改修の投資的な経費の増加などの影響により、平成26年度以降毎年度赤字決算が続いていたことがあるようです。また、今般の新型コロナウイルス感染症の拡大により、一層のデジタル化推進など、新たな投資が必要となったことも原因のようです。

今回の料金改定の中でも、特にインパクトが大きいのは国際出願手数料です。具体的には下記の通りですが、送付手数料+調査手数料(日本語)では、改定前より2倍の金額となっております。

<表:改定後の国際出願(特許、実用新案)関係手数料>

項目 改定前金額 改定後金額
送付手数料+調査手数料
(日本語)
80,000円
(内 送付手数料10,000円)
160,000
(内 送付手数料17,000円
送付手数料+調査手数料
(英語)
166,000円
(内 送付手数料10,000円)
186,000
(内 送付手数料17,000円
国際調査の追加手数料(日本語) 60,000円×(請求の範囲の発明の数-1) 105,000円×(請求の範囲の発明の数-1)
国際調査の追加手数料(英語) 126,000円×(請求の範囲の発明の数-1) 168,000円×(請求の範囲の発明の数-1)
予備審査手数料(日本語) 26,000円 34,000
予備審査手数料(英語) 58,000円 69,000
予備審査の追加手数料(日本語) 15,000円×(請求の範囲の発明の数-1) 28,000円×(請求の範囲の発明の数-1)
予備審査の追加手数料(英語) 34,000円×(請求の範囲の発明の数-1) 45,000円×(請求の範囲の発明の数-1)

※出典より引用

この料金改定により、日本企業が国際出願を控えることが想定され、国際競争力を削ぐことに繋がるのではないかと懸念されます。

平成31年4月より、中小企業等を対象に、国際出願に係る手数料(送付手数料、調査手数料、予備審査手数料)について、一定の要件を満たした場合、減免措置を受けることができる制度もありますので、うまく活用していただきたいです。この減免の申請には、令和3年1月以降、申請の際に必要となる各書類の押印が不要となっているため、以前よりも手間をかけずに申請することができます。

また、庁費用の値上がりに際し、令和4年3月末までの駆け込み出願の増加が推測されます。国際出願をお考えの場合には、繁忙期と重なりますので余裕をもってご依頼いただければ幸いです。

料金改定については意見募集が行われており(現在は終了)、寄せられた意見を参考に最終的な決定は後日行われるとのことです。

【出典】
日本特許庁「産業財産権関係料金の見直しに対する意見募集について
【参考】
日本特許庁「国際出願に係る手数料の軽減措置の申請手続

※この記事は一般的な情報、執筆者個人の見解等の提供を目的とするものであり、創英国際特許法律事務所としての法的アドバイス又は公式見解ではありません。