2022年1月に各種公報が発行される公報発行サイトの刷新(以下、公報システム刷新)が予定されている。本稿では、この公報システム刷新について紹介する。

1.主な変更点
公報システム刷新による主な変更点は下表に示す通りである。注目すべき変更点は、審決公報以外の公報が特許庁開庁日に毎日発行されるようになる点である。また、特許庁へ問い合わせたところ、公報発行予定表の発行は廃止となり、代わりに刷新後の公報発行サイトにおいてその日発行する公報の一覧が毎日公開されるとこのことであった。

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※1:2021年11月現在(公報システム刷新前)は、公報発行サイトから公報をダウンロードすると、データ一式の中に公報をPDF形式にしたものが収録されているが、公報システム刷新後はこのPDFの発行が廃止される。
※2:審査請求リスト(特実)、拒絶査定、出願放棄・取下・却下リスト(特許)、目録(商標)、拒絶査定、出願放棄・取下・却下リスト(商標)、公示号。
※3:公開公報や登録公報以外の公報情報等(公示号に収録されている具体的な情報は公報発行案内(PDF)を確認されたい)。

2.留意点
公報システム刷新による実務への影響が想定される点について説明する。

(1)公報の発行時期
特許庁へ問い合わせたところ、公報の発行の頻度が変わるだけであり、公報の発行時期のスケジュールは同程度を考えているとのことであった。より具体的には、多少前後する可能性はあるが、下表のスケジュールとのことである。例えば、特許異議申立については「特許掲載公報の発行の日から六月以内」、商標異議申立については「商標掲載公報の発行の日から二月以内」に申し立てることが必要であり、公報の発行日が重要となる。そのため、異議申立にあたっての出願経過のウオッチング等の運用には、多少影響を与える可能性があると考えられる。

New-system-20211118-2 (2)その他の留意点
Q1: WIPO標準「ST.96」を採用することで何が変わるか。
A1:ST.96とはXML形式の公報の規準書である。ST.96の採用により、今までSGML形式で発行していた意匠公報や商標公報がXML方式で発行されることとなる。

Q2:変更点として「法律で定められていない再公表特許が廃止」があげられているが、日本語で国際公開されたら再公表は無いということか。
A2:再公表はない。

Q3:変更点として「法律で定められていない判定公報を廃止」とあるが、判定の結果が出ても公報で結果を知ることができないということか。第三者が判定の結果を知る方法はあるか。
A3:判定の結果を公報で知ることはできない。判定の結果を知る方法としてはJ-PlatPatで検索して経過情報を確認する等をして情報を取得する方法が考えられる。

Q4:「PDFファイル」の収録が廃止され、どのようなデータ形式で公報を入手することになるか。PDFとして保存したい場合には自らPDF化することになるのか。
A4:公報は全てXML形式で発行されることとなる。公報のPDF化について特許庁へ問い合わせたところ、XML形式の公報をそのままPDFに変換しても問題無いかの確認は行っていないとのことであった。しかしながら、公報システム刷新後にJ-PlatPatでは公報を加工してPDFを作成して提供すると言った話がなされているとのことであるため、PDFとして保存したい場合には、J-PlatPatを利用することが考えられる。

3.予定
公報システム刷新は以下のような予定となっている。

New-system-20211118-3※4:2022年1月4日から1月11日まではサイトへのアクセスは可能であるが、公報の閲覧は不可。

【出典】
1.日本特許庁「公報システム刷新後のインターネット利用による公報発行サイトについて」※公報システム刷新後のURL(https://www.gazette.jpo.go.jp/scciidl010)が既に記載されているが、本稿執筆時点(2021年11月)では、当該URLにアクセスしてもエラーとなる。
2.日本特許庁「公報システム刷新に対応した公報の発行について

【関連記事】
1.知財トピックス(日本情報等)「<コラム>公報発行に関する基礎知識と最新情報 ~「特許公報の発行に関わる運用」及び「公開商標公報の発行日」の変更~
2.WIPO「Annexes to WIPO Standard ST.96 Version 4.0

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