【事件概要】
特許無効審判において、訂正発明1が進歩性を欠如しないとした判断に誤りがあるとして、審決のうち訂正発明1に係る部分が取消された事例。
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【争点】
相違点2の認定及び容易想到性判断の誤りの有無。

【結論】
(1)相違点2の認定の誤りの有無について
審決が認定する相違点2は,…「ホール素子を利用してアクチュエータのピストンロッドの位置を算出した結果を受けて」フレームの高さが中間停止位置LMまで下降したか判定すること(以下「相違点2②」という。),「フレームと床との間に介護者又は患者の足が存在しても,挟み込みが生じないように」,下降スイッチが押し状態であってもフレームをいったん停止させ,「ブザーを鳴らして警報」すること(以下「相違点2③」という。)の…技術的事項から成り,それぞれが独立に置換可能な技術事項である…相違点2②に係る構成は,実質的には甲1に開示されており,相違点を構成するとはいえない。

(2)相違点2③の容易想到性判断の誤りについて
介護者又は患者の足が存在しても,足の挟み込みが生じないような下方中間位置においてフレームの下降は停止するが,それ以上フレームが下降すれば介護者又は患者の足が挟み込まれてしまうことになる甲1発明に接した場合,昇降機能を有するベッドにおいて,人体の侵入を防止し,人体が挟み込まれないようにベッドの下降を停止するとの周知技術に従い,その下降を停止する高さを「前記フレームと床との間に,介護者又は患者の足が存在しても,挟み込みが生じないよう」な意図で設定し,この際,警告音でフレームと床との間に人体が挟み込まれないよう知らせるとの周知技術に従い,警告音を発するようにすることは,当業者には格別困難なことではないといえる。

【コメント】
上記(1)について判決は、甲1記載のホール効果センサ内に生じた電圧値の変化をもって「位置を算出した」と認定できるとした。この点、「算出」の意義の捉え方によって意見が分かれるように思われる。

上記(2)について判決は、甲1発明の「下方中間位置」の物理的な高さに基づいて、「下方中間位置」は「足が存在しても,挟み込みが生じないよう」な位置(高さ)といえると評価した上で、「下方中間位置」の高さを「足が存在しても,挟み込みが生じないよう」な意図で設定することは容易想到であるとした。「下方中間位置」はベッドに出入りするための便利な高さを意図して設定されたものであるが、この本来的な意図がどのように考慮されて容易想到であるとの結論に至ったのか興味がある。

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