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[商標/中国]「商標審査・審理指南」の一問一答

新しい商標審査・審理指南が2022年1月1日から施行された。2022年2月8日、国家知識産権局(CNIPA)はその中に特に重要なテーマを整理し、「一問一答」の形式で説明している。今回、二つのテーマについて、実務上特に重要と考える部分をピックアップしてご紹介する。

■馳名商標の審査・審理

1.「按需認定」(必要に応じて認定する)の原則

必要に応じて認定するとは、必要な案件のみ馳名商標の認定を行うことである。具体的には、馳名商標の認定は、①事件の処理に必要不可欠であること、②法律要件を満たすこと、及び③他の救済手段がないことが前提である。言い換えれば、当該案件の処理の際に他の条項で保護できない場合や馳名商標を認定しなければ当事者の利益が損なわれる場合のみ、当該事案の審理で馳名商標を認定する。

2.「誠実信用」の原則

「誠実信用」(信義誠実)は民法・商法の基本原則である。馳名商標の認定を求める側は、提出した証拠の真実性、正確性等について責任を負う。重大な背信行為を行った者に対して、馳名商標の認定を行わない。

3.証拠について

馳名商標の認定のための証拠については、新しいビジネスモデルや各種メディアでの使用も証拠として認めるようになった。例えば、従来の契約書、請求書、船荷証券、送金明細、輸出入書類などの証拠に加えて、オンラインの電子商取引の販売記録などに関する資料も認める。また、販売地域の範囲、販売店の分布、販売経路および販売方法に関する証拠の立証の際に、各種メディアの広告、評価・レビュー、報道、ランキングなども考慮される。納税に関する証拠については、税務当局が発行する納税証明書の原本、納税証明書の公証証書の写しのほか、電子版の納税証明書の公証証書も認めるようになった。

4.その他の注意すべき改正点

(1)過去に認定された馳名商標の再認定の条件及び必要な証拠資料に関する規定が追加された。証拠については、特に保護すべき馳名商標の周知性が継続していること、及び本案に関する証拠資料を提出する必要がある。

(2)他人の馳名商標の翻訳の商標について、その定義が明文化された。馳名商標の翻訳とは、馳名商標と異なる言語で表現し、かつ、その言語が馳名商標との対応関係が確立し、関連公衆に知られ、あるいは使用されている場合や馳名商標との関連性に誤認混同を生じる場合は、馳名商標の翻訳として、その登録が認められない。

(3)誤認と混同の概念の区別を明確にする必要がなく、具体的な事案で判断する。

■使用目的を有しない悪意商標の審理

1.使用目的を有しない悪意商標について

「使用を目的としない悪意商標」とは、出願人が生産、営業活動の必要性に基づかない商標出願を大量に行い、真の使用目的を欠き、商標資源を不当に占有し、商標登録の秩序を乱すものを指す。 そのよう営利目的で大量の商標出願について、規制する必要がある。

2.使用する目的を有しない悪意の商標の典型例

以下のような典型例がある。

(1)出願の数が多く、出願人の経営範囲を明らかに超えている。
(2)大量にかつ複数の他人の一定の知名度を有する先行商標を複製、模倣、剽窃する。
(3)反復して一定の知名度を有する特定人の先行商標を複製、模倣、剽窃する。
(4)大量に他人の商号またはその略語、ドメイン名、一定の知名度を有する包装、広告用語等の標識と同一又は類似する商標を出願する。
(5)大量に著名人の氏名、著名な作品・キャラクター名称等の文化的財産と同一又は類似する商標を出願する。
(6)大量に著名な地理的名称、観光名所、著名な建築物の名称と同一又は類似する商標を出願する。
(7)大量に一般名称、業界の技術用語と同一又は類似する商標、又は指定商品・役務の品質、原料、機能等の特徴を直接表す商標を出願する。
(8)大量に商標出願をしたのち、不特定な異なる第三者に譲渡する。
(9)不正の利益を得るために、大量に商標権を譲渡する、又は先使用者にビジネス関係を提携するよう強要するなどの行為を行う。
(10)その他の悪意による出願と該当し得る場合

なお、上記の典型例中の「大量」に該当するか否かついては、出願人や出願商標などの状況を総合的に判断される。

その他の「一問一答」について、また、別の機会でご紹介する予定ですが、今後、創英の商標担当者は、審査基準の改定も踏まえて総合的に出願の戦術のご提案をさせて頂きます。

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