特許行政年次報告書2015年版 ~知的財産に関する多数のコラムも掲載~
日本特許庁は例年5~6月頃に特許行政年次報告書を公表している。その内容はきわめて多岐に渡り、統計情報だけでなく国内外の知的財産制度に関する近況等も網羅している。本稿では、そのうち「国内外の出願・登録状況と審査の状況」と「知的財産関係者向けコラム」について紹介する。
(1)国内外の出願・登録状況と審査の状況
2014年3月、特許庁は「審査請求から一次審査通知までの期間を11か月以内にする」という目標を達成し、今後10年間で「権利化までの期間」(標準審査期間)を平均14か月以内とする新たな審査迅速化の目標を定めたこと等が報告されている。
他の主要五大特許庁(日本(JPO)、米国(USPTO)、欧州(EPO)、韓国(KIPO)、中国(SIPO))と比較しても、一次審査通知までの期間に関しては、2009年の時点では日本が最も遅かったが2013年までに期間を大幅に短縮させたことがわかる。
※出典より引用(「特許行政年次報告書2015本編掲載図表ダウンロード」はこちら)
(2)知的財産関係者向けコラム
このような状況に関する報告に留まらず、同報告書では知的財産関係者向けのコラムが36含まれており、知的財産戦略の方向性を検討する際などで、一読の価値があると考えられる。
~コラムの例(コラムの一覧リストはこちら)~
- 多様化する知的財産戦略(クローズド・モデル戦略、オープン・モデル戦略)
- 知財ビジネス評価書を活用した中小企業への融資事例
- 地方大学における地域創生の可能性(地元中小中堅企業との連携、研究開発成果の商用化支援)
- 市場シェアと知的財産権との関係について
- つぶやきでふりかえる知財2014:「特許」「実用新案」「意匠」「商標」「知財」「知的財産」の各ワードについてツイッターでつぶやかれた件数(ツイート件数)の調査結果が報告されている。