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[商標/日本] 不正競争防止法等の一部を改正する法律の公布(コンセント制度の導入)

「不正競争防止法等の一部を改正する法律案」が、令和5年6月7日に可決・成立し、令和5年6月14日に公布されました。
https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/hokaisei/sangyozaisan/fuseikyousou_2306.html

 本改正により商標法では、コンセント制度が導入されることとなりました。

 コンセント制度とは、出願した商標が、商標法4条1項11号に該当するものであったとしても、先行商標権者の同意があり、出所混同のおそれがない場合には、商標登録を受けることが可能となる制度です(商標法4条4項)。

 従来から、コンセント制度を導入すべきという議論はありましたが、コンセント制度により、同一又は類似する商標が併存登録されると、需要者が商品・役務の出所について混同のおそれがあることを排除できないことや、現行制度であってもアサインバック(出願人と先行登録商標の権利者の名義を一時的に一致させ拒絶理由を解消する手法)で対応可能であったという理由から、今日までコンセント制度は導入されませんでした。

 しかしながら、アサインバックよりも、より簡便・低廉なコンセント制度の導入を望むニーズがあり、また、諸外国ではコンセント制度が存在するにもかかわらず、日本ではコンセント制度が導入されていないことが、海外ユーザーにとって、日本での商標登録の障壁となっており、国際的な制度調和を実現する必要性があったことから、コンセント制度が導入されることとなりました。

 ただし、コンセント制度の導入に当たっては、需要者の利益を保護する観点(商標法1条)から、たとえ、先行商標権者と同意があったとしても、なお出所混同のおそれがある場合には、商標登録を受けることができず(商標法4条4項)、また、同一又は類似する商標が併存登録されたとしても、混同防止表示の請求(商標法24条の4第1項及び第2号)や、不正使用取消審判の請求(商標法52条の2第1項)を可能とする規定が設けられました。

 2023年7月時点では、具体的な審査運用、提出書面、商標法4条4項の「混同」の判断手法等は、検討段階であり、今後の審査基準等の改訂が待たれます。

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