[特許・実用新案/韓国]審査猶予制度に関する改正
2026年5月11日、韓国知識財産処(Ministry of Intellectual Property of the Republic of Korea:MOIP)は、審査猶予制度の時期的要件の一部改善を主たる目的とする特許・実用新案法施行規則の改正(同年5月14日施行)を公表した。以下、要点を説明する。
1.審査猶予制度
特許・実用新案の権利化にあたっては、発売する製品に合わせて適切に権利範囲を設定することが重要な場合も多い。審査猶予制度とは、出願人の申請により、製品の発売時点などに合わせて出願後最大5年まで審査時期を遅らせることができる制度である。出願人は申請にあたって、「この時期に審査を始めてほしい」という希望時期(以下、猶予希望時点)を指定する。

※1:韓国における審査請求期限は出願日から3年(韓国特許法第59条第2項、韓国実用新案法第12条)
※2:分離出願とは韓国特有の制度で、拒絶審決後に拒絶決定されていない請求項のみを切り出して出願するもの(韓国特許法第52条の2)

出典の図を和訳
2.改正点
従前の審査猶予制度では、出願人が申請して2か月が経過すると猶予希望時点を変更できなかった。そのため、審査時期を早めたり遅らせたりすべき状況が発生しても変更できず、審査猶予制度を活用しにくいという問題があった。
今回の改正により、審査官が審査に着手していなければ、申請していた猶予希望時点をいつでも早めたり遅らせたりすることができ、審査猶予自体を取り下げることもできるようになった。
これにより、状況が変わった場合でも柔軟に対応し得るため、審査猶予制度が活用しやすくなることが期待される。
[出典]
ジェトロ「韓国特許庁が知識財産処へと昇格」韓国特許庁は2025年10月1日から知識財産処へと昇格
大韓民国 政策ブリーフィング「특허심사도 타이밍, 편리하게 바뀐 심사유예 제도를 활용해보세요!- 사업시기에 맞춰 뒤로 미뤄놨던 특허 심사시기, 자유롭게 변경가능(5.14~)-」(PDF)(和訳:特許審査もタイミング、便利に変わった審査猶予制度をご活用ください!事業時期に合わせて後回しにしていた特許審査時期、自由に変更可能(5.14~))
[参考]
崔達龍国際特許法律事務所「韓国特許法」(PDF)
崔達龍国際特許法律事務所「韓国実用新案法」(PDF)
新興国等知財情報データバンク「韓国における特許分割出願制度の活用と留意点」※分割出願とあわせて分離出願について解説されている