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[特許/日本]標準戦略対応審査の試行を開始

日本特許庁(以下、特許庁)は、標準化を目指す技術に関する特許出願の審査について、出願人の希望するタイミング(審査請求から12~24か月)に審査を行う標準戦略対応審査の試行の開始を公表した。詳細は2(3)で説明するが、標準戦略対応審査にあたっては申請希望者の募集に応募する必要があり、最初の応募は令和8年7月1日から令和8年7月31日である。

1.背景
近年、産業界では製品やサービスの普及において、標準化が重要な役割を担っている。ここでいう「標準化」とは、単純化、統一化等をする活動であり、それにより定めた取り決めが「標準」、更にそれを文書化したものが「規格」と一般的に言われている。標準化と審査のプロセスは独立しており、一般的に、標準化のプロセスの方が審査のプロセスよりも時間を要する。この点については、内閣官房の国際標準戦略部会においても課題とされていた。

出典5より引用

2.標準戦略対応審査の手続等
(1)対象となる特許出願
標準戦略対応審査の対象は、以下の要件をいずれも満たす特許出願である。

  • 出願人自身又は発明者の属する企業等が標準化活動(規格の制定・普及に向けた活動)を行っている技術に関する特許出願
  • 以下の(3)①に示す事前手続の際に提出した出願番号のリストに記載されている特許出願(出願番号のリストに国際出願番号を記載した場合には、当該国際出願を特許庁に対して国内移行した特許出願)

(2)庁費用
標準戦略対応審査の申請に際しては、特許庁への手続に係る手数料は不要である。

(3)手続の流れ
標準戦略対応審査の概略フローは下図の通りである。以下、この図を参照しながら、個々の手続等の内容を説明する。

①事前手続
標準戦略対応審査の申請を希望する出願人は、事前手続として、申請希望者の募集に応募する必要がある。毎年7月に、その年の10月1日から翌年の9月30日までの1年間に標準戦略対応審査の申請を希望する出願人の応募が受け付けられる。応募にあたっては、当該1年間に申請を予定する出願番号のリストを提出する必要がある。

例)令和8年7月の募集
令和8年10月1日から令和9年9月30日までの1年間で標準戦略対応審査の申請を希望する出願人の応募を受け付ける。

当該応募は標準戦略対応審査の適用を確約するものではなく、申請可能件数の割り当てを受けるための手続である。申請可能件数は、応募にあたって提出した出願番号のリストから把握可能な当該1年間の申請予定件数及び本施策の過去の申請件数等を総合的に考慮して決定される。事前手続の応募の締切り後、毎年8月~9月に、テーマ(技術範囲)ごとの申請可能件数が特許庁から出願人に通知される。

②申請
上記①で説明した申請可能件数の通知を受領した出願人は、標準戦略対応審査の申請をする場合、当該適用を求める個々の出願に対し、

  • 審査の着手希望時期(審査請求から12~24か月)や標準の説明等を記載した申請書
  • 標準戦略対応審査の申請をする旨の上申書

を提出する必要がある。ただし、申請は、事前手続の応募の締切り後に通知された申請可能件数を超えない範囲で行う必要がある。申請書に関しては標準に関連する複数の特許出願をまとめて記載することも可能であるが、上申書は特許出願ごとに提出する必要がある点に留意する。

申請書

・出願人名
・標準戦略対応審査の対象とすることを希望する特許出願の出願番号
・審査の着手希望時期
・標準の説明(標準を開発する機関・団体等の名称、標準開発のタイミング(見込み)、開発される標準がどのようなものであるか)
・出願人側の担当者の情報(氏名、所属、電話番号、メールアドレス)

上申書

・出願人自身又は発明者の属する企業等が標準化活動を行っている機関・団体の名称
・審査の着手希望時期
・標準戦略対応審査の対象とすることを希望する旨

申請書及び上申書は、審査請求日から起算して5開庁日以内に提出する必要がある。期限が短いことから、上記に示した概略フローでも「審査請求・申請」となっているように実務上は審査請求と同時に申請書及び上申書を提出するケースが多いと考えられる。また、申請書及び上申書の双方が期限内に提出されて初めて標準戦略対応審査の対象となり、いずれか一方のみが提出された場合は対象とならない。

状況

標準戦略対応審査の対象となるか否か

審査請求前

審査請求日から起算して5開庁日以内に申請書及び上申書を提出した場合は対象となる

審査請求後

審査着手前

審査請求日から起算して5開庁日以内

審査請求日から起算して5開庁日経過後

申請書及び上申書の提出期限を徒過しているため対象とならない

③申請後の流れ
標準戦略対応審査の申請後の流れは以下の通りである。原則、審査の着手予定月は、出願人が申請書や上申書に記載した審査の着手希望時期と同一となる。

(ⅰ)特許庁側の取りまとめ担当者の通知
審査の着手予定月の4か月前に、出願人側の担当者へ、特許庁側の取りまとめ担当者の情報をメールで通知する。
(ⅱ)面接
出願人側の担当者は、特許庁側の取りまとめ担当者とスケジュール調整を行い、審査の着手予定月の1か月前を目安に面接を実施する。
(a)可能な限り面接まで
出願人は、必要に応じて、標準の内容に対応した権利範囲となるように請求項を補正する。
(b)面接時
出願人(出願人本人や、責任ある応対をなし得る知的財産部員等)は、標準戦略における標準対象技術の位置づけ、標準と出願の関係、各出願の技術の説明等を行う。
(ⅲ)審査の着手
標準戦略対応審査を担当する審査官は、通知した審査の着手予定月以降できる限り速やかに審査に着手する。

3.標準戦略対応審査により期待される効果
標準戦略対応審査によれば、出願人自身又は発明者の属する企業等が標準化活動を行っている技術に関する特許出願について、標準開発(標準化)の進捗に合わせた柔軟な審査が可能となる。

出典1より引用

[出典]
1.日本特許庁「標準戦略対応審査(試行)について
2.経済産業省「特許審査において「標準戦略対応審査」の試行を開始します
3.日本弁理士会「知的財産権とは > 標準化
4.日本特許庁「標準戦略対応審査ガイドライン」(PDF)
5.内閣官房「国際標準戦略部会(第10回)議事次第」-「参考資料4「日本型標準加速化モデルの進捗(経済産業省資料)」」(PDF)

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