トピックス

  1. TOP
  2. トピックス
  3. [特許/日本]特許出願の非公開制度
知財トピックス 日本情報

[特許/日本]特許出願の非公開制度

経済安全保障推進法のうち特許出願の非公開制度に関し、令和5年6月12日に行われた経済安全保障法制に関する有識者会議第7回において、(詳細は後述する)特定技術分野及び付加要件(案)が示され(出典1)、令和5年8月に特定技術分野及び付加要件が政令で定められた(出典2)。

1.特定技術分野及び付加要件とは
まず、特許非公開制度の審査と保全指定について説明する。特許出願非公開制度では、特許庁長官による第一次審査(技術分野等によるスクリーニング)及び内閣総理大臣による第二次審査(保全審査)の二段階の審査が採用されている。内閣総理大臣は、保全審査の結果、特許出願に係る発明に関する情報の保全をすることが適当であると認めたときは、当該発明を保全対象発明として指定(保全指定)する。

ここで、特定技術分野と付加要件は、保全審査に付される発明を定めるための指針となる。特定技術分野とは、公にすることにより国家及び国民の安全を損なう事態を生ずるおそれが大きい発明が含まれ得るか否か、及び経済活動やイノベーションへの影響の両方を考慮し、保全指定の対象となる発明が含まれる領域として選定された技術分野のことである。付加要件とは、発明の経緯や研究開発の主体等の技術分野以外の要件のことである。


※出典2より引用

2.今回の政令で定められた特定技術分野及び付加要件

今回の政令で定められた特定技術分野及び付加要件について説明する。具体的な特定技術分野は以下の25分野とされ、国際特許分類(又はこれに準じて細分化したもの)に従って規定される。なお、出典2には個々の特定技術分野等に対応する具体的な国際特許分類等についても示されている。

<特定技術分野>※出典2より抜粋

我が国の安全保障の在り方に多大な影響を与え得る先端技術が含まれ得る分野

(1)航空機等の偽装・隠ぺい技術

(2)武器等に関係する無人航空機・自律制御等の技術

(3)誘導武器等に関する技術

(4)発射体・飛翔体の弾道に関する技術

(5)電磁気式ランチャを用いた武器に関する技術

(6)例えばレーザ兵器、電磁パルス(EMP)弾のような新たな攻撃又は防御技術

(7)航空機・誘導ミサイルに対する防御技術

(8)潜水船に配置される攻撃・防護装置に関する技術

(9)音波を用いた位置測定等の技術であって武器に関するもの

(10)スクラムジェットエンジン等に関する技術

(11)固体燃料ロケットエンジンに関する技術

(12)潜水船に関する技術

(13)無人水中航走体等に関する技術

(14)音波を用いた位置測定等の技術であって潜水船等に関するもの

(15)宇宙航行体の熱保護、再突入、結合・分離、隕石検知に関する技術

(16)宇宙航行体の観測・追跡技術

(17)量子ドット・超格子構造を有する半導体受光装置等に関する技術

(18)耐タンパ性ハウジングにより計算機の部品等を保護する技術

(19)通信妨害等に関する技術

我が国の国民生活や経済活動に甚大な被害を生じさせる手段となり得る技術が含まれ得る分野

(20)ウラン・プルトニウムの同位体分離技術

(21)使用済み核燃料の分解・再処理等に関する技術

(22)重水に関する技術

(23)核爆発装置に関する技術

(24)ガス弾用組成物に関する技術

(25)ガス、粉末等を散布する弾薬等に関する技術

上記特定技術分野のうち、(10)~(19)は、保全指定をした場合に産業の発達に及ぼす影響が大きいと認められる分野であり、付加要件が適用される。具体的な付加要件は以下のいずれかに該当する発明であるとされている。

<付加要件>※出典2より抜粋

①防衛・軍事

我が国の防衛又は外国の軍事の用に供するための発明

②国・国研

国又は国立研究開発法人による特許出願(国及び国立研究開発法人以外の者と共同でしたものを除く。)に係る発明

③国の委託等

以下のいずれかの適用を受けた特許出願に係る発明

●日本版バイ・ドール制度(産業技術力強化法第17条)

産業技術力強化法第17条第1項第1~4号に規定する条件を受託者が約する場合に、各省庁が政府資金を供与して行っている委託研究開発(国立研究開発法人等を通じて行うものを含む。)に係る知的財産権について、100%受託者(民間企業等)に帰属させうる(受託者が特許出願人となりえる)こととする制度。

●科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律第22条

国の委託研究であって、本邦法人と外国法人等が共同して行うものの成果に係る知的財産権について、国がその一部のみを受託者から譲り受けることができる(国と受託者の共同出願となりえる)とする制度。

 

[出典]
1.内閣官房「経済安全保障法制に関する有識者会議(令和4年度~)
2.内閣府「特許出願の非公開に関する制度特定技術分野と付加用件
3.デジタル庁- e-Gov法令検索「産業技術力強化法
4.デジタル庁- e-Gov法令検索「科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律

[参考]
弊所サイト「[特許/日本]経済安全保障推進法案における特許出願の非公開に関する制度について

CONTACT

弊所に関するお問い合わせはWebフォームよりお願いいたします。