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[意匠/英国]欧州共同体意匠制度におけるスペアパーツの解釈についての判決

欧州理事会規則(COUNCIL REGULATION No 6/2002)の110条(1)においては、いわゆる「スペアパーツ」に関して、「複合製品の元の外観を回復する修理のために」使用される意匠については、意匠権は及ばない旨の規定がある。

2012年7月27日に、イギリスの高等法院(High court)において、このスペアパーツの解釈について、興味深い判決がなされた([2012] EWHC 2099 (Pat))。

今回の判決においては、「スペアパーツの規定は抗弁であり、侵害を問われた被告が立証責任を負うこと」、「部品が、完成品の全体の外観に依拠する(Dependent)場合に適用されること(例えば、車のホイールであれば元の完成品とは別のデザインのホイールに取り換えることは現実的なオプションであるから依拠するとは言えないが、窓やボディーパネルのような部品は車全体の外観に依拠する可能性が高い)」、「『修理のため』とは、あくまでも傷ついた部品の交換等の通常の修理を意味し、アップグレード等は含まれないこと」、「『元の外観』とは、製造者がそれを売った時の外観をいうこと」が判示されている。

【参考】
欧州連合知的財産庁「Community design legal texts: COUNCIL REGULATION (EC) No 6/2002 Article 110 Transitional provision
日本特許庁「諸外国の法令・条約等:欧州連合 意匠理事会規則(仮訳)第110条 経過規定

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