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[特許/米国、中国、インド等]<コラム>日本国外の企業等との共同開発により完成した発明を特許出願する場合の留意点 ~第一国出願義務、外国出願許可等について~

日本の企業、大学等が日本国外の企業、大学等と共同で国際的な研究開発を行う場合、成果物である発明の取扱いには様々な留意点があります。代表的なものには特許権の帰属や共有に関する契約上の取り決めがありますが、その前提となる出願の準備段階で留意が必要な事項として「外国出願許可(foreign filing license)」等と呼ばれる制度があります(※類似の制度を含めて包括的に「第一国出願義務」と呼ぶ場合もあります)。

特許法において外国出願許可の規定(または、それに類似する規定)を設けている国は少なくなく、世界知的所有権機関(WIPO)のウェブサイトでは「国際出願と国の安全に関する考慮事項」というページで、2018年8月時点で特許協力条約(PCT)の締約国28か国についての情報が日本語で提供されています。なお、当該28か国には、米国、中国、フランス、フィンランド、シンガポール、インド、ベトナム、マレーシア等、日本の企業等が共同で研究開発を行う相手先企業等の所在国だけでなく、現地製造の過程で発明が生じることが想定される国も含まれています。

WIPOの当該ページで提供されている情報は簡潔な内容にとどまっていますが、国ごとのより詳しい情報は、【出典】に示す新興国等知財情報データバンク等においても、日本語で提供されています。

また、出典(3)~(4)で言及がある米国の輸出管理規制(Export Administration Regulations)のように、特許法以外の法令を考慮すべき場合があることにも留意が必要です。

【出典】
(1)世界知的所有権機関(WIPO)「国際出願と国の安全に関する考慮事項
(2)独立行政法人 工業所有権情報・研修館(INPIT):新興国等知財情報データバンク中国で完成した発明に関する秘密保持審査制度」、「インド国内で生まれた発明の取扱い―インド国外への特許出願に対する制限」等
(3)Sean M. McGinn; Geoffrey K. Pechie「米国における職務発明 発明者の特定、外国出願許可、及び発明者の報酬について」(月刊パテント2016年4月号)
(4)一般社団法人 日本知的財産協会 国際第1委員会「米国法人と共同で研究開発を進める上での留意点」(知財管理2006年6月号)

【参考】
AIPPI「CommitteeStudy Committee : Q244 Inventorship of Multinational Inventions : Committee Publications」※2015年時点の情報で、Summary ReportのI. 6)(PDF)によれば、回答があった42か国(インド、ベトナム等は含まれていない)のうち、ベルギー、デンマーク、フランス、インドネシア、イスラエル、イタリア、オランダ、ノルウェー、ロシア、シンガポール、スペイン、イギリス、米国の13か国において「外国出願許可」・「第一国出願義務」に相当する制度があるとされています。詳細は、各国のStudy Reportsから確認することができます。

【関連記事】
知財トピックス <コラム>各国特許庁/機関提供の知財関連情報 2016-07-05

***更新情報(2019年3月7日)***
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