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[特許] 米国最高裁、控訴審におけるクレーム解釈の見直しに関する基準を変更する判決を下す

Teva Pharmaceuticals USA, Inc. v. Sandoz, Inc. (Supreme Court 2015) No. 13-854

2015年1月20日、米国連邦最高裁は、地裁によるクレーム解釈を連邦巡回控訴裁判所(CAFC)が見直す場合の基準について、事実問題はde novo(覆審;最初からの見直し)ではなく、clear error(明白な誤り)があった否かを見直しの基準とすべきとの判決を下した。

本件では、Teva社の特許クレームにおける「molecular weight(分子量)」の文言解釈が争点となっていた。Sandoz社は、明細書に記載された分子量に関する3通りの計算方法のいずれによりクレームを解釈するかが不明であるとして、特許法112条第2パラグラフ(現在の同条b項)により特許無効であると主張していた。この主張に関し、地裁は、専門家による証言を考慮した後に、クレームは十分に明確であるとして、特許有効の判断を下していた。その後の控訴審においてCAFCは、de novo基準でクレーム解釈を見直し、地裁判決を覆していた。

今回の最高裁判決により、地裁における特許クレームの解釈に用いられた専門家証言等の外的証拠(extrinsic evidence)による事実に基づくクレーム解釈については、clear error(明白な誤り)が見直しの判断基準となった。一方、明細書、審査経過等の内的証拠(intrinsic evidence)に基づくクレーム解釈については、引き続きde novo(覆審)の対象となる。この判断基準の変更が、今後の特許訴訟にどれほどの影響を及ぼすかは現時点で未知数ではあるが、地裁におけるクレーム解釈(マークマン・ヒアリング)において、内的証拠と外的証拠の区分が従前よりも重要視されることが予想される。

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