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[特許/米国]米国最高裁がHikma Pharmaceuticals v. Amarin Pharma事件を受理

2026年1月に米国最高裁はHikma Pharmaceuticals v. Amarin Pharma事件の上告受理を決定しました。本件は複数の適応を有する先発医薬品に関する特許と、その一部の適応についてのみ申請して承認されたいわゆる「スキニーラベル」を有する後発医薬品のマーケティングに関し、争点は、(1)後発医薬品メーカーが後発医薬品の表示から特許対象の適応を完全に削除した場合でも、自社品を先発医薬品の「ジェネリック版」と称し、売上など公知情報を引用しただけで、特許の誘引侵害の主張を適法に成り立たせ得るか、(2)被告が特許対象の適応を促すかあるいは言及する指示を一切していないのに誘引侵害の主張が成立するか、の2点です(Hikma Pharmaceuticals USA Inc. v. Amarin Pharma, Inc., No. 24-889, Search – Supreme Court of the United States)。

Amarin(先発医薬品メーカー)の医薬品は2つの適応で承認され、Amarin特許はその一方のみをカバーしていました。一方のHikma(後発医薬品メーカー)はAmarin特許の対象適応を除外しAmarin特許の対象ではない適応のみを対象とする「スキニーラベル」で承認を得ました。Hikmaの後発医薬品が上市された後、AmarinはHikmaによる(a)自社品を先発医薬品との適応の違いに言及せずに「ジェネリック版」とするプレスリリース、(b)適応別でなく先発医薬品の総売上を示す発表、(c)自社ウェブで承認された適応より広い治療カテゴリーでの同等性への言及等が医師にAmarin特許の対象適応の使用を促していると主張し、誘引侵害に当たるとしてデラウェア連邦地方裁判所に提訴しました。デラウェア地裁は「スキニーラベル」自体は非侵害であり特許対象適応の使用を推奨するものでもないとしてAmarinの訴えを退けましたが、連邦巡回控訴裁判所(CAFC)は「スキニーラベル」のみならず上記事実を総合的に考慮すべきであり、全体としてHikmaによる行為は誘因侵害の可能性があるとして地裁判決を破棄、差戻しました。

これに対して、HikmaはCAFCの判断がハッチ・ワックスマン法で認められている「スキニーラベル」を骨抜きにするもので、後発医薬品市場に深刻な影響と不確実性をもたらすなどと申し立てたところ、今回の米国最高裁による上告受理に至りました。本件の事実に照らしますとCAFCの判断を破棄する可能性が高いと見方が多いように思われますが、最高裁が「スキニーラベル」やマーケティングにおいて許容される明確な基準を示すのか、その判断が注目されます。

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