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米国特許法における「特許期間調整(PTA)」の再計算について

米国連邦巡回裁判所の判決を受けて、特許期間調整の重複があった場合において米国特許商標庁での運用が変更されました。システムのプログラム改修完了までは、再計算に関する暫定処置が取られます。

1月7日、米国連邦巡回裁判所(CAFC)は、米国特許法第154条(b)(注1)に規定される特許調整期間(Patent Term Adjustment: PTA)の重複の扱いに関するWyeth事件(Wyeth v. Kappos)について、米国特許商標庁(USPTO)の解釈に誤りがあったとする判決を下しました。

今回のCAFC判決は、同条(b)(2)(A)に規定される特許発行の遅延理由(下記のA~C delay)が重複する場合において、USPTOの取扱いに誤りがあったとするものです。

A Delay : USPTOの審査遅延(例:14ヶ月以内のファースト・オフィスアクション不発行)

B Delay : 出願日から3年以内に特許が発行されなかったことによる遅延

C Delay : インターフェアレンス、審判手続き等による遅延

この判決を受けて、USPTOでは特許調整期間の運用を改めることとなり、2月1日に暫定処置を発表しました(注2)。発表では、システムのプログラム改修完了予定日である3月2日以前に発行された特許について、特許権者の請求に基づいて、通常の要件(庁費用、手続書面)を変更してPTAの再計算に応じるとされています。

なお、今回のCAFC判決は「出願日から20年」という特許の存続期間の原則を変更するものではありません。また、180日以内に発行された米国特許が再計算の対象となりえるため、該当有無の判断には、審査経過(A~C delay)の確認とあわせて特許発行時期の確認が必要となります。

以上

(注1)日本特許庁 外国産業財産権制度情報 米国特許法仮訳:
http://www.jpo.go.jp/shiryou/s_sonota/fips/pdf/ireland/tokkyo.pdf

(注2)Press Release, 10-06:
http://www.uspto.gov/news/pr/2010/10_06.jsp

(参考)ニューヨーク発 知財ニュース – 米国 – ジェトロ 「USPTO、特許期間調整の計算方法変更に係る暫定措置を発表-CAFC 判決に基づく計算方法への変更に際し、再計算請求のための要件を緩和-」:
http://www.jetro.go.jp/world/n_america/us/ip/news/pdf/100201.pdf

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