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[特許/EPO]【欧州特許庁】庁通知の送達に関する10 days ruleの廃止

 欧州特許庁(以下、EPO)における庁通知の送達に関し、2023年11月1日、EPC規則(126(2)、127(2)、131(2))が改正され10 days ruleが廃止されます。これに伴い、2023年11月1日以降に発送される庁通知に対しては、10日の猶予期間が無くなります。

 これまで、EPOからの庁通知はその日付から10日後に送達されたものとみなして、庁通知の日付に10日を足した日を基準日として応答期限が計算されていました。しかし、電子通信技術の普及に伴い、またEPOでの期限計算を簡素化するため、このルールは撤廃されることになりました。

 新規則では、庁通知はその日付に受取人に送達されたものとみなされ、応答期限はその日付を基準日として計算されます。ただし、庁通知の日付から7日を超えて遅れて送達された場合には、当該7日を超える日数分だけ応答期限が延長されます。このように、今後は期限の計算において庁通知の日付が常に基準日となり、送達が遅れた日数によっては期限が延長されることになります。

 なお、送達があったことやその日付について争いがある場合は、立証責任はEPOが負います。

 以下、庁通知の日付が2023年11月1日前後の取り扱いに関し、具体例を挙げて説明します。

1.庁通知の日付が2023年11月1日以降でその日付通りに送達された場合

 庁通知の日付が2023年11月13日であってその日に受領された場合、4ヶ月の指定期間は延長されることなく、応答期限は2024年3月13日となります。

2.庁通知の日付が2023年11月1日以降でその日付より遅れて7日以内に送達された場合

 庁通知の日付が2023年11月13日であり、その日から5日遅れて2023年11月18日に受領された場合、遅延は7日を超えないため4ヶ月の指定期間は延長されることなく、応答期限は2024年3月13日となります。

3.庁通知の日付が2023年11月1日以降でその日付から7日を超えて送達された場合

 庁通知の日付が2023年11月13日であり、その日から12日遅れて2023年11月25日に受領された場合、遅延は7日を超えるため、4ヶ月の指定期間は超過分の5日延長されて、応答期限は2024年3月18日となります。

4.庁通知の日付が2023年11月1日より前の場合

 庁通知の日付が2023年10月31日であり規則改正前であるため、10 days ruleが適用されて応答期限の計算の基準日は2023年11月10日となります。したがって、応答期限はこの基準日から4か月後の2024年3月10日となります。

 規則が改正される2023年11月1日を挟んで庁通知の日付が前後することで、旧規則と新規則の適用が変わり、応答期限の計算が変わって来ます。したがって、応答期限を徒過しないように期限管理に十分な注意を払う必要があります。

【出典】
Notice from the European Patent Office dated 6 March 2023 concerning amended Rules 126, 127 and 131 EPC
https://new.epo.org/en/legal/official-journal/2023/03/a29.html

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