トピックス

  1. TOP
  2. トピックス
  3. [特許/米国]「Inventorship Guidance ...
知財トピックス 米国情報

[特許/米国]「Inventorship Guidance on AI-assisted Inventions (AI支援発明に関する発明者ガイダンス)」について

Federal Register :: Inventorship Guidance for AI-Assisted Inventions

1.はじめに
米国特許商標庁(USPTO)は、2024年2月13日に、人工知能(AI)によって支援された発明(AI支援発明)に関する発明者名ガイダンス(Inventorship Guidance on AI-assisted Inventions)を発表しました。

このガイダンスでは、AI支援発明に対する自然人の貢献が特許を取得するのに十分であったか否かを判断するための指針を示しています。また、ガイダンスは、2024年2月13日以降の出願のみならず、以前の出願及びそれらの出願から生じるすべての特許に適用されます。なお、このガイダンスに対する意見募集も行われており、その結果、変更や追加がなされる可能性はあります。

2.AI支援発明に関する発明者名ガイダンスで示される指針
●特許出願等の発明者および共同発明者は自然人
USPTOは、特許出願に係る発明者は自然人に限定されるとして、AIシステムであるDABUSが発明者であるとする請願を棄却し、CAFCも、USPTOの判断を支持しました。21-2347.OPINION.8-5-2022_1988142.pdf (uscourts.gov)

したがって、AIシステムは、AI支援発明の発明者および共同発明者にはなれません。

●AI支援発明の発明者
AI支援発明では、発明者が不適格であるとして一律に拒絶等されるわけではなく、自然人がクレームされた発明に著しく貢献した場合(顕著な貢献)には、その自然人は発明者(または共同発明者)として認定される可能性があります。

●Pannuファクター
発明者(共同発明者)の認定においては、CAFCがPannu事件(Pannu v. Iolab Corp., 155 F.3d 1344, 1351 (Fed. Cir. 1998))で示したPannuファクターが適用されます。Pannuファクターは、以下の3項目の要件で判断され、いずれか一つでも満たさない場合には、発明者(共同発明者)になれないとしています。

[1]発明の着想に重要な貢献をした
[2]クレームされた発明に対する貢献度をその発明の全貌に対して判断し、質的に非重要な貢献であってはならない(クレームの全貌に対して質的にも重要な貢献でなければならない)
[3]真の発明者に周知の技術概念或いは技術水準を教示する以上の説明をしている

AI支援発明に関しても、Pannuファクターによって自然人の貢献が評価されます。したがって、Pannuファクターに従って顕著な貢献が認められれば、その自然人は、発明者として認定される可能性があります。

3.Guiding principle(指針)について
USPTOは、Pannuファクターの適用に役立つ原則(Guiding principle(指針))を、非網羅的なリストとして提供しています。そのリストの概要は、以下の通りです。

●指針1
発明創作においてAIシステムを使用することは、発明者としての自然人の貢献を否定するものではない。

●指針2
AIシステムに問題を提議するだけの自然人は、AIシステムの出力から特定された発明の適切な発明者でない可能性がある。しかし、特定の問題に対して特定の解決策をAIシステムから引き出すために、その自然人がプロンプトをどのように構築するかによって、重要な貢献が示される可能性がある。

●指針3
発明の実施化だけでは、発明者としての重要な貢献にはならない。したがって、AIシステムから出力された内容についての特性や有用性が当業者にとって明らかな場合、その出力を発明として評価しただけの自然人は、必ずしも発明者ではない。

しかし、AIシステムからの出力に対して、重要な貢献をして発明を創出する人は、適切な発明者である可能性がある。

●指針4
特定の問題に対して特定の解決策を引き出すことを目的としてAIシステムを設計、構築、または訓練する自然人は、そのAIシステムの設計等がAI支援発明に対する重要な貢献である場合、発明者である可能性がある。

●指針5
発明の創出に使用されるAIシステムを単に所有または監督しているだけでは、発明者とは言えない。

4.AI支援発明に関する発明者評価の具体例
USPTOは、上記のガイダンスに加え、AI支援発明に関する発明者の評価について具体例を発表しています。この具体例では、幾つかのシナリオが紹介され、上記指針の適用について説明しています。

具体例の詳細については、以下のリンクよりご確認いただけます。

AI-related resources | USPTO
Example 1「Transaxle for Remote Control Car」
Example 2「Developing a Therapeutic Compound for Treating Cancer」

CONTACT

弊所に関するお問い合わせはWebフォームよりお願いいたします。