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[特許]「発明の単一性の要件」、「シフト補正」の審査基準改訂の考え方 ~第9回審査基準専門委員会~

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【追記】
平成25年7月1日以降の審査に適用される改訂後の審査基準に関する記事は、こちらをご参照ください。
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「発明の単一性の要件」、「発明の特別な技術的特徴を変更する補正」(いわゆる「シフト補正」)の審査基準改訂の考え方が、特許庁のホームページ(平成25年1月10日開催の第9回審査基準専門委員会配布資料)で公開されています。「発明の単一性の要件」、「シフト補正」についての現行の審査基準は、平成18年特許法改正でシフト補正禁止の要件(特許法第17条の2第4項)が導入されたのにあわせて運用が開始されたものです。現行の審査基準に対しては、

・特許される可能性のある特別な技術的特徴を有する発明について十分な保護を得ることができないケースがあり、審査対象となる範囲を広げるべきではないか。
・発明の単一性、シフト補正の要件を満たさないことは、発明の実体的な瑕疵ではなく、無効理由でもないことに鑑み、審査対象の決定について柔軟に行うことを可能にするべきではないか。

等のユーザーの要望が強いようです。

そこで、今回の審査基準改訂の考え方では、発明の単一性、シフト補正の要件の判断において必要以上に厳格に行うことがないようにする、ということを基本的姿勢としています。

「発明の単一性」について具体的には、
(1)現行では、最初に特別な技術的特徴(STF)が発見された発明の発明特定事項を全て含む発明を、発明の単一性の要件以外の要件についての審査対象としているところを、改定後では、最初にSTFが発見された発明のSTFと同一の又は対応するSTFを有する発明を審査対象とする。
(2)現行では、STFに基づく審査対象となる発明について審査を行った結果、審査が実質的に終了している他の発明について、例外的に審査対象としているところを、改訂後では、上記発明に加え、STFに基づく審査対象において審査対象となる発明とまとめて審査をすることが効率的である発明については、広く審査対象とする。
との考え方が示されています。なお、「シフト補正」についても上記と同様の考え方です。

簡単な例を挙げると、

【請求項1】A(STFなし)
【請求項2】A+B(STFなし)
【請求項3】A+B+C(STFあり「C」)

である場合に、現行では、請求項3に係る発明の発明特定事項(A+B+C)を全て含む発明(例えば、A+B+C+D)でなければ審査対象にならなかったところを、請求項3に係る発明と同一の又は対応するSTFを有する発明(例えば、A+C+E、A+C’+E;ただし、C’はCと対応するSTF)も審査対象になります。さらに、請求項1に係る発明に従属する発明(A+E)で、請求項1に係る発明と同一又は関連する技術分野に属するものであり、類似の観点で先行技術調査ができる場合には、請求項1に係る発明とまとめて審査をすることが効率的である発明として審査対象となります。

詳細については、以下のページをご覧ください。
産業構造審議会知的財産政策部会 特許制度小委員会 第9回審査基準専門委員会
平成25年1月10日(木)
http://www.jpo.go.jp/shiryou/toushin/shingikai/shinsakijyun09_shiryou.htm

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