トピックス

  1. TOP
  2. トピックス
  3. [特許/アルゼンチン] 化学・医薬発明の特許性に関する変更
知財トピックス その他各国情報

[特許/アルゼンチン] 化学・医薬発明の特許性に関する変更

2026年3月18日、アルゼンチン共和国の政府官報に共同決議(以下、2026年共同決議)が掲載され、同日発効した。2026年共同決議によれば、2012年の共同決議(以下、2012年共同決議)が廃止された。なお、アルゼンチンにおける共同決議は、法律そのものではないが、行政機関による審査運用・解釈指針を示す行政規範であり、日本の特許庁審査基準に類似する性質を有する。

1.2012年共同決議の廃止の意味
2012年共同決議は、化学・医薬発明に関して以下に示す対象事項の特許性を否定又は制限する根拠となっていた。

医薬組成物および製剤
マーカッシュ・クレーム
多形(ポリモルフ)
擬似多形(シュードポリモルフ)
類推プロセス(類似の製法)
プロドラッグ
代謝物
選択発明
エナンチオマー(鏡像異性体)
組合せ
公知物質の塩、エステルおよびその他の誘導体
用量
第二医薬用途

今回の2026年共同決議により2012年共同決議が廃止されたため、化学・医薬発明に関する判断が以下のように変更された。つまり、2026年共同決議は2012年共同決議の制限的な運用を廃止し、特許法24481号の第4条(新規性、進歩性、産業上利用可能性)に立ち戻ることを示したものである。

従来:
2012年共同決議に基づき、上述の対象事項については原則として特許性が否定又は制限される運用
変更後:
特許法24481号(改正含む)に従って判断

2.2026年共同決議の適用対象
官報の前文には「係属中の出願(solicitudes en trámite)が新たな基準の下で特許の対象となり得る」との記載があるため、係属中の出願にも適用されるものと考えられる。ただし、本稿執筆時点(2026年5月)では、ガイドライン等は公表されていない。

3.権利行使に関する経過措置
2026年共同決議によれば、当該共同決議の発効時にアルゼンチン国内で医薬品を販売している第三者に対しては、その販売継続を阻止することも、いかなる種類の補償を請求することもできない。ただし、官報の前文において、ここでいう医薬品に関し「最終的な医薬品のみならず、その有効成分、製造方法などを考慮し、医薬品の販売を妨げる可能性のあるすべてのものを広義に包含するものと理解されるべきであり、当該医薬品の生産、製造、保管、輸入、輸出、およびその販売に関わるすべてのものが含まれること」と示されている点に留意する必要がある。

[出典]
1.アルゼンチン共和国の政府官報「BOLETIN OFICIAL REPUBLICA ARGENTINA – MINISTERIO DE SALUD Y MINISTERIO DE ECONOMÍA E INSTITUTO NACIONAL DE LA PROPIEDAD INDUSTRIAL – Resolución Conjunta 1/2026」※2026年共同決議
2.アルゼンチン共和国の政府官報「BOLETIN OFICIAL REPUBLICA ARGENTINA – Ministerio de Industria, Ministerio de Salud e Instituto Nacional de la Propiedad Industrial PATENTES DE INVENCION Y MODELOS DE UTILIDAD – Resolución Conjunta 118/2012, 546/2012 y 107/2012」※2012年共同決議
3.アルゼンチン政府「TEXTO ORIGINAL – LEY 24481 – PATENTES DE INVENCION Y MODELOS DE UTILIDAD | Argentina.gob.ar」※特許法24481号

CONTACT

弊所に関するお問い合わせはWebフォームよりお願いいたします。