[特許/米国] 審査開始の事前通知プログラム Applicant Pre-Docketing Notice Pilot Program
USPTOは、2026年5月29日付で、特許出願が実体審査のために審査官に割り当てられる時期を事前に通知する試行プログラム「Applicant Pre-Docketing Notice pilot program」を公表し、本プログラムに基づく通知の送付をすでに開始していることを明らかにした。本プログラムは、審査開始時期に近い段階で事前通知を行うことが、出願人の意思決定や審査の効率化に与える影響を評価することを目的としている。先日紹介した「PCT Informed Examination Request (PIER) Pilot Program」(既報)と同様に、審査前の段階において出願人の対応を促す取り組みの一つである。
(1)対象となる出願と通知のタイミング
対象となるのは、係属中の通常の特許出願(非仮出願:utility nonprovisional patent application)である。
対象出願が実体審査のために審査官に割り当てられる(docketed)と予想される日の約3ヶ月前に、出願人に対して事前通知(Pre-Docketing Notice)が送付される。
(2)出願人の対応(応答は任意)
PIERプログラムでは情報要求に対する応答が必須(未応答の場合は出願放棄とみなされる)であるのに対し、本通知に対する応答義務はない。出願人が何も対応を行わない場合でも、出願は通常どおり審査に進む。
本通知は、審査開始が間近であることを知らせることで、出願人に以下の対応を検討する機会を提供するものである。
①発明者や権利者情報の確認、および必要に応じた修正・更新
②争点を明確化したり予見可能な拒絶理由を回避するための予備補正書や、情報開示陳述書(IDS)などの提出
③権利化を希望しなくなった場合、早期の明示的放棄。この場合、一定の要件(37 CFR 1.138(d))を満たせば、出願時に納付した調査料や超過クレーム料の返還を受けられる可能性がある。
【出典】
USPTO「Applicant Pre-Docketing Notice pilot program」
【関連】
弊所記事「PCT Informed Examination Request (PIER) Pilot Program」