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[特許/米国] Artificial Intelligence Search Automated Pilot (ASAP!) Program

 USPTOは、2025年10月8日付けで、特許出願の実体審査前に、AIツールを利用した自動先行技術調査の結果を出願人に通知する試行プログラム「Artificial Intelligence Search Automated Pilot (ASAP!) Program」を開始する旨を公表した1。USPTOは、本試行プログラムにより、長年の課題であるバックログ(未審査案件の滞留)増大問題の解消を図るとともに、出願人に潜在的な先行技術を早期に認識させ、自発的な補正や出願の放棄等の手続が促進されることを期待している。

(1)対象となる出願
 対象となる出願は、2025年10月20日以降に電子的に出願された通常の非仮出願(utility特許)であり、仮出願、継続系出願(継続出願、分割出願、一部継続出願)、意匠(デザイン特許)出願、植物特許、再発行特許、および国内移行された国際出願は対象外とされている。

(2)申請
 本試行プログラムの適用を希望する場合、出願書類はDOCX提出の要件に準拠している必要がある。

 申請手数料については、制度開始当初は所定の手数料(450ドル)が必要であったが、2026年3月23日以降の申請からは、USPTOのForm PTO/SB/470を利用して申請することを条件に手数料が無料となっている。

 なお、不備により申請が却下された場合、不備を是正する機会はなく、再申請も認められない。

(3)試行期間
 本試行プログラムは、当初、2026年4月20日または各審査部門(TC)あたり200件以上の申請を受理した日のいずれか早い日に終了するとされていた。しかし、その後試行期間が延長され、現在は、2026年6月1日またはTCあたり400件以上の申請を受理した日のいずれか早い日に終了することとなっている2

 なお、USPTOが公開している下記グラフに示されるように、今までの申請総数は169件のみで、そのうち許可(granted)されたのは76件にとどまっており、本試行プログラムがあまり活発に利用されているとは言えない状況である。このような利用の低迷を受け、上記の期間延長や手数料の無料化に踏み切ったものと推測される。

出典:https://www.uspto.gov/patents/initiatives/automated-search-pilot-program

 なお、上記(1)および(2)の要件自体はそれほど厳しいものとは思われないが、申請169件中、許可されたのは76件のみであり、半数を超える93件が許可されていない。これら93件は、おそらく、却下されたか、現在審査中であると推測される。米国現地の特許業界においても、この許可率の低さについては疑問視する声が上がっている。

(4)申請後(ASRNの通知と取扱い)
 申請が許可されると、自動先行技術調査結果の通知(Automated Search Results Notice (ASRN))が発行される。ASRNには、特許分類(CPC)やクレーム等に基づき、関連度(近似性)の高い順に最大10件の先行技術文献がリストアップされる。審査官は、ASRNに引用された文献を他の先行技術文献と同様に扱う。出願人はASRNに対して応答する義務はないが、必要に応じて実体審査前に自発補正を行ったり、出願を放棄したりすることができる。ただし、ASRNに記載された文献は、審査官または出願人が別途引用(IDSの提出など)しない限り、許可後に発行される特許公報のフロントページには記載されない。

【出典】
1.USPTO「USPTO launches new AI Pilot for pre-examination utility application search | USPTO
2.USPTO「USPTO extends the Artificial Intelligence Search Automated Pilot Program (ASAP!) | USPTO

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