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[特許/ASEAN]ASPEC+の開始

 2026年4月6日、ASPEC(ASEAN Patent Examination Co-operation)下において、新しいオプション「ASPEC+」の開始が公表された。2009年に開始したASPECは、ASEAN加盟11か国のうち9か国(ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム)の参加知財庁間における、初の地域的な特許ワークシェアリング・プログラムである。その目的は、報告書及びオフィスアクションを共有し、出願人が対応特許をより迅速かつ効率的に取得できるようにすることにある。

(1)ASPECとASPEC+
 通常のASPEC(本稿では通常のASPECのことを単にASPECと記す)とASPEC+の概要は以下の表の通りである。

 上記表の通り、ASPECは第1庁の肯定的なオフィスアクションが出てから第2庁の審査を進めるという順次的な運用であるのに対し、ASPEC+は選択した複数庁で同時に審査を進めるという並行的な運用と位置付けることができる。なお、ASPEC+であっても、各庁は、自国の国内法及び実務に従ってオフィスアクションを発行する責任を保持しており、他の庁の所見に合わせる義務はない。

(2)ASPEC+の流れ
 ASPEC+の流れは以下の通りである。

出典に示されたフローを和訳(一部の表現は本記事に合わせるとともに、適宜補足を追記)

(3)ASPEC+の要件
 ASPEC+の要件は以下の通りである。

 ASPECと同様に、ASPEC+のオプションも利用料は無料である。ただし、選択した複数庁における通常の審査請求手数料等は別途必要となる。また、c)に関しては、(1)の表に示した通りASPECとASPEC+で違いがある。ASPEC+はオフィスアクションが未発行の段階で申請するため、ASPECのように特許可能と判断されたクレームの存在は要件とならず、選択した複数庁の「出願クレーム同士」が同一又は十分に対応していることが求められる。

(4)その他
①ASPEC+の制限
 フィリピンとマレーシアについては以下のようにASPEC+の利用に関して制限があるため留意する必要がある。

②現地代理人のコメント
 ASPEC+では第1庁の報告書が第2庁(申請時に同時選択)にも共有される。そのため、現地代理人からは、仮に第1庁の審査内容が適切でなかった場合、各庁から妥当でないオフィスアクションが発行され、かえって権利化までに時間がかかるリスクがあるとの意見もあった。

[出典]
ASEAN IP Portal「What Is ASPEC

 

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