弁理士試験について語る

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第2部 短答・論文・口述式試験対策各論第3章 口述試験

第3話.口述試験は、一問一答の「掛け合いゲーム」

2019/10/10 公開

今日(本稿執筆の日)は、2019年10月11日です。口述試験は明日、10月12日からの予定でした…が、最強クラスの台風が関東地方を直撃するため、延期となりました。
そんなことでドタバタしているに違いない受験者の方々に合格の秘訣を二つだけ、アドバイスします。
≪口述合格の秘訣1.条文を読んで“おさらい”しておくこと≫
≪口述合格の秘訣2.本番で“柔軟さを忘れない”こと”≫

 

この2点については、私が本試験の試験委員を務める前の2007年に、ブログに書いていますのでコピペします。
(本来なら、私が本試験の試験委員をやった時の体験を交えて書きたいのですが、さすがにそれは許されませんので、ブログを引用します。もっとも、試験委員の体験談としてきたとしても、内容は実質的に同じになると思いますが。)

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口述試験は、一問一答の「掛け合いゲーム」を楽しめば、必ず…

今年も、弁理士試験論文式の合格発表がありました。昨年より減って、589名だそうです。創英では、「複数の合格者輩出!」というのが、もう何年も続いています。
最後に残った口述式に合格すれば、受験生活に別れを告げて弁理士です。創英では…今年は5名が口述式の試験を受けます。

この口述式に合格する秘訣は…二つだけです。

≪口述合格の秘訣1.条文を読んで“おさらい”しておくこと≫
理由は、「基本的な知識を確実にしておくこと」ですが、実は、「試験本番の最中に“あがらない”ための勉強」
です。基本の“おさらい”が自分なりにやってあると、気持ちに余裕が出るので“あがる”ことが少なく、「試験官の質問が聞き取れずに立ち往生する」ということがない。

条文を読んで“おさらい”しておくことは、①基本知識を確実にする上でも、②気持ち的・精神的な安定感を得る上でも、大切なことです。

≪口述合格の秘訣2.本番で“柔軟さを忘れない”こと”≫
理由は、「硬直的であると、小石で躓く」ということ。口述試験は「試験官との一問一答の掛け合いを繰り返すゲーム」であり、この「試験官の質問の一つ一つが小石」であり、「柔軟でないと、小石に躓く確率が高くなる」からです。

このゲームの当事者は、試験官と受験者の二人であり、傍に見物人(もう一人の試験官と係員?)がいると思います。密室で対面するわけです。受験者は当然にコチコチに緊張しています…が、実は、「相手の試験官も、けっこう緊張している!」のです。
エラソーに、ふんぞり返った格好をしていても、内心は「変な質問の仕方をしてしまわないだろうか」と不安なのです。そして、やっぱり試験官は“変な質問の仕方をしてしまうことが、ままある!”のです。

試験官には、“あらかじめ一問一答の質問例と回答例を渡されている”し、“事前に目を通している”のですから、試験官はそれを忠実に言葉で話せば良い。しかし…なにかと格好を付けたがる試験官は、質問例として紙に書いてある内容を「そのまま読むのは芸がない!」なんて思って、「自分なりの言葉で意訳して話してしまう」ことがある。
そうすると、試験官の意訳を聞いた受験者は、内容を少し違えて理解してしまい、受験者なりの言葉で答えてしまう。すると…それを聞いた試験官は、またまた試験官なりの理解をしてしまい、相互の意識のズレが起こる。
試験官と受験者の双方が、相手の言っていることを理解しきれない状態に陥る。遂には、“試験官から受験者に聞き返す”ようなことになる。

小さな誤解が積み重なることで大きな誤解となり、最終的には「コイツ(受験者)は、法律を理解していないのでは?」という心証をもたれる…。あるいは、「私が説明しても理解できない、こういう受験者は弁理士の適性がない!」と思われる…。
これは、もう不合格の典型的パターンです。“一問一答の掛け合いゲーム”にならず、試験官はイライラしているのです。

試験官は、自分の質問の仕方が悪いとは絶対に思わない。それを理解できない受験者が悪いと思ってしまう。つまり、掛け合い“ゲームが続けられなくなったら受験者の負け!”なのです。

口述試験で大事なことは、「試験官の質問に対して、正しい内容で答える、ということではない!」と思って下さい。
口述試験で大事なことは、「試験官の質問に対して、試験官が求めている内容で答える、ということ!」です。
口述試験は、基本知識の量や正確性を試す試験ではありません。口述試験は、「法律問題の一問一答の掛け合いゲームを通して、受験者が弁理士としての対人の質疑応答能力があるか否かを試す試験」
です。

硬直的にならず、柔軟な気持ちで「試験官との一問一答の掛け合いを繰り返すゲーム」を楽しむことができれば、「必ず合格する!」と思います。ちなみに、この“掛け合いゲーム”を楽しむためにも、基本条文の“おさらい”が大切です(秘訣の1)。

口述試験の受験者の皆さん、これが最後のハードルですから頑張って下さい。

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プロローグ

第1部 王道を行く弁理士試験勉強法

第2部 短答・論文・口述式試験対策各論

第1章 短答試験

第2章 論文試験

第3章 口述試験

第3部 受験生活を乗り切り、不合格を乗り越える

第4部 弁理士を志望している方に「本音ベース」で贈る言葉

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